『非常に分かりやすく、印象的で、何をしなくてはいけないのか、目指さなくてはいけないのか、ぱっと見て理解ができる』

背景と経緯

私のお客様は大手物流企業で、全国拠点のシステム機器の整備及び新サービスの提案でした。その提案書は、顧客のCIOと中長期的なビジョンの共有を行うための提案を1枚で語る(実際には1枚+数枚を準備)為のものでなければなりませんでした。

実は本プロジェクトは、歴史的といってよい大規模プロジェクトで、関係者が非常に多いため、本格始動前に、関係者全員が一致して同じビジョンを共有する必要との認識を共有しました。そこで、プロポーザルエキスパートには、提案プロセス全体のコミュニケーションを束ねることに加え、「ひと目見てわかる」提案資料作成もしてもらえるかを打診しました。

お客様社内での課題意識

プロジェクトの全体像が、関係者に共通して同じ風景として見えていなかったことが課題だったため、それを真っ先に、誰の目にも明らかに描くことが最も求められていました。プロポーザルエキスパートを中心として、繰り返しディスカッションをしながらその場でラフな絵を描き、描き換えを繰り返して、中長期にわたるビジョンを絵にしました。プロポーザルエキスパートには、関係者全員を一同に会することは至難の業である中での舵取りを依頼したわけですが、出来上がったとき、至上命題の「ひと目見て全体がわかる」は、最大限に実現できたと確信できました。

できた資料が出した結果に驚き

できた提案資料は、担当する社内外全関係者に対して、全ての場面で逐一見せ続けました。お客様のCIOとの面談のたびに、現場とのイメージ共有、販売代理店との提案内容のすり合わせ、社内でのプロジェクト報告などが片付いていきました。

 結果、お客様から『非常に分かりやすく、印象的で、何をしなくてはいけないのか、目指さなくてはいけないのか、ぱっと見て理解ができる』と高評価をいただいたときは本当に感じ入りました。

その後もベクトルがぶれないでプロジェクトを推進

その後もこの提案資料が、いわば本プロジェクトの「バイブル」となり、社内での新規加入メンバーのプロジェクトへの理解を促し、海外のエグゼクティブの判断を仰ぐ際にさえも大いに活用され、全社として目指すべき方向性がブレずにこの大型案件の獲得が叶い、本当に感謝しています。

営業担当者はこのお客様の長年の担当で、何年にもわたり、同プロジェクトの各フェーズ毎の提案書の作成にはいつも関わってきました。しかし、このときほど、ゼロからの産みの苦しみを味わったことはありませんでした。また、シンプルな1枚の提案資料に、後から加わったメンバーにも同じビジョンを共有できるなど、ここまで息の長い効果があるとも想像していませんでした。プロジェクトを1つにまとめ上げた「紙」の提案資料の威力を、まざまざと見せつけられた体験をしました。